根管治療で骨は再生する?CTでわかる治癒の経過を歯科医が解説

「根管治療は終わったけれど、骨はちゃんと再生しているのだろうか」「CTを撮って経過を診てもらうべき?」——そんな不安を抱えたまま、次の受診日を待っている方は少なくありません。
当院のご案内では、歯の内部の細菌を根管治療によって徹底的に除去することで、溶けていた骨は再生します。そして、骨の再生の状態は、CTで確認できます。CTでなければ診断が難しいケースがあり、レントゲンに写らなかった膿の袋が、CTで見つかった症例もあります(個人差があります)。
この記事では、根管治療後に骨が再生するしくみ、骨の再生を支える治療のステップ、CT経過観察でわかること、そして経過が思わしくない場合の選択肢や費用まで、当院の情報をもとに解説します。
根管治療後も不安が続く——患者さんが抱える典型的な疑問
根管治療を受けた後、「痛みはなくなったけれど、これで本当に治っているのだろうか」と感じる方は多くいらっしゃいます。治療が終わったという安堵感と同時に、骨が溶けていた部分がきちんと回復しているのかどうか、目に見えないだけに確かめようがないという不安も残ります。
当院には、「治療したにもかかわらず、噛んだときに痛みがある」「他院で治療をしたが痛みが取れず、原因がわからないと言われた」「3か月間治療が続いているけれど治らない」「膿を出しても再発する」「抜かなければいけないと言われた」といったご相談が寄せられます。
治療を繰り返しても改善しない状況は、原因の見極めや、治療の進め方に見直しが必要なサインである場合があります。経過を正確に確認することで、回復の軌道に乗っているかどうかを判断できます。
「治ったかどうか」が見えにくい理由
根管は歯の内部にあり、あごの骨の状態は、外から見ることができません。痛みが落ち着いたからといって、骨の中の状態まで確認できたとは限らないため、治療後も「本当に大丈夫だろうか」という気持ちが残りやすくなります。骨の状態を確認するには、画像による診断が手がかりになります。
治療後に多い3つの不安
- 骨が溶けていた部分は、本当に再生しているのか
- いつ、どのように確認すればよいのか
- 経過が思わしくなければ、どのような選択肢があるのか
この記事では、この3つの不安に順番にお答えしていきます。
根管治療後に骨が再生するしくみを正しく理解する
歯の内部に細菌が繁殖して、それが原因で骨が溶けてしまいます。重度のむし歯で、根管まで細菌に侵されると、激しい痛みや顔の腫れだけでなく、あごの骨まで溶かされます。根管治療の目的は、歯の内部の細菌を徹底的に除去することです。
当院では、歯の内部の細菌を根管治療によって徹底的に除去することで、溶けていた骨が再生することを、治療のゴールと考えています。感染源を取り除けば、骨はじっくりと再生していきます。当院の症例では、治療前と5年後を比較すると、膿の袋が無くなり、骨が再生しており、5年後もCTで確認できています(個人差があります)。
当院では、根管充填のあと、骨内の膿が大きい場合は、一時的にプラスチック製の仮歯を入れて日常的に使えるようにして、3か月後にCTを撮影します。仮歯は、膿が治り、骨の再生状態を観察するために必要です。その間に、かみ合わせや、磨きやすい形態になっているかを確認しながら、仮歯を調整します。
細菌が繁殖する主な原因は「感染防御が不十分なこと」
当院のご案内では、歯の内部で細菌が繁殖する主な原因は、治療時に適切な感染防御ができていないことです。口の中には、約1000億〜1兆の細菌がいるとされます。そのため、唾液が歯の内部に入らないようにすることが、骨の再生を目指す治療の大前提になります。
根管治療中は、うがいを禁止しています
当院では、根管治療の最中のうがいを禁止しています。うがいをすると、唾液中の細菌が歯の内部に入ってしまうためです。治療中は、ラバーダムシートで唾液をシャットアウトし、うがいもしないことで、歯の内部を清潔に保ちます。
よくある誤解:根管治療後は「放置していても、必ず骨が再生する」?
「根管治療を終えたら、あとは身体が勝手に治してくれる」と考える方もいらっしゃいますが、当院のご案内では、気が付かずに長年放置している場合や、複雑な根の形態の場合は、骨の再生が起こらず、手術を行う場合があります。また、治療が途中で中断されたり、治療の間隔が長く開いたりすると、再感染が起こり、抜歯になる可能性が高くなります。年齢、根の形の個人差、過去に受けた治療のダメージによっては、改善されないこともあります。
だからこそ、治療を最後まで受けることと、治療後の経過を確認することの両方が重要です。
骨の再生を支える治療のステップ
骨の再生を目指す根管治療は、診断から被せ物の装着まで、いくつかのステップで進みます。当院の治療の流れは、次のとおりです。治療の回数や期間は、重症度や個人差によって異なります。
当院では、画像診断(CT)、マイクロスコープによる目視、プロービング(歯根の病巣の確認)、問診、過去の治療歴の確認、根ごとの個別診断、むし歯の原因の究明を行います。CTでは、むし歯の原因、根の太さ、根の曲がり方などを把握できます。
むし歯を徹底的に除去した後、根管治療の前に「隔壁」(防波堤)を作ります。隔壁は、削った歯に唾液が入らないようにするためのものです。
ラバーダム(ゴム製のシート)を歯の周囲に装着して唾液の侵入を防ぎ、顕微鏡で確認しながら感染源を除去します。回数は1〜4回程度が目安です。ゴムアレルギーの方には、シリコン製のシートを用意しています。ラバーダムの装着が難しい場合は、ご相談に応じます。
根管内の感染源を取り除いた後、MTAまたはバイオセラミックを隙間なく詰めます。抗菌力が高く、体になじみやすい新しい薬剤とされています。
ファイバー製の土台を使い、歯の割れを防ぎます。骨内の膿が大きい場合は、仮歯を入れて日常的に使えるようにし、3か月後にCTを撮影して、骨の再生状態を確認します。
隙間や段差がないよう精密に製作した被せ物を装着します。被せ物は他県の技工士に依頼するため、できあがるまでに2〜3週間ほどかかります。
治療期間と回数の目安
根管治療の期間は、全体で1〜3か月程度が多く、根管の清掃・消毒は1〜4回程度が目安です。重症度や個人差によって異なります。丁寧に治療を進めるため、期間は短くありませんが、再発を防ぎ、歯を長く保つためのステップだと考えています。
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レントゲンでは、わからないことがある
当院には、治療したにもかかわらず「噛んだときに痛みがある」と来院された患者さまの症例があります。レントゲンでは、膿の袋が写っていませんでした。しかし、CTで撮影したところ、2つの根の先端に大きな膿の袋が見つかり、さらに、この歯には根が3本ありましたが、1つの根は全く手をつけられていませんでした。細菌に感染した神経が、まるまる残っていたのです。CTでこのような事実が判明したため、早急に歯の根の治療を開始しました。
CT撮影で、わかること
当院では、CTを撮影することで、次のような情報を得ています。
- 悪くなった原因を特定できる
- どんな治療が必要か、根の太さや、どのように曲がっているかなど、根の治療をするうえで必要な情報を得られる
- 前の治療で見つけられなかった神経(根管)や、手がついていない根がないかを確認できる
- 治療後に、膿の袋が小さくなっている・なくなっていることを確認できる
当院のご案内では、歯を治すために、マイクロスコープとCTは必須です。そして、それを扱える精密な治療技術と、正しい知識が必要です。
⚠ CTを撮影するタイミングは、診査・診断のうえで判断します
CTを撮影するタイミングや、必要性は、患者さまの状態によって異なります。ご不安な点は、担当の歯科医師にご相談ください。
他院で抜歯と言われた歯の症例
当院の症例をご紹介します。41歳の男性(倉敷市)が、左下の歯の違和感を主訴にご来院されました。他院で抜歯を勧められたものの、「抜かずに治してほしい」というご希望でした。
神経が壊死していた歯の内部の感染源を、ラバーダムとマイクロスコープを使用して除去し、レーザーで洗浄したあと、MTAを使用して根管充填を行いました。治療は3回、経過観察を含めて約4か月で、5年後のCTで骨の再生を確認できています(個人差があります)。
根管治療の期間と、経過観察の目安
当院の根管治療の期間は、病状の重症度や個人差にもよりますが、1〜3ヶ月程度かかることが多いです。唾液による細菌感染を徹底的に防ぐ特別な処置をして、根本の原因を徹底的に取り除くなど、丁寧に治療を行うため、期間は長くかかりますが、治療後の再発リスクが低く、歯を長持ちさせられると考えています。骨内の膿が大きい場合は、仮歯で経過観察し、3か月後にCTを撮影します。症例によっては、経過観察しながら4か月かけて治療し、5年後もCTで骨の再生を確認している例もあります。
骨の回復が見られないとき——次に考えるべき治療の選択肢
再度の根管治療
CTで、骨の回復が確認できない場合に、まず検討されるのは、根管の内部の感染源の除去を、改めて行うことです。当院では、ラバーダムシートで唾液を完全にシャットアウトし、マイクロスコープ(肉眼だと1000円札の下の線が、24倍拡大で「NIPPON GINKO」と読み取れる拡大視野)で、細部まで確認しながら治療します。他院で治療したが痛みが取れなかった症例では、マイクロスコープとCTで、もう一つの神経を発見し、治療したことで、痛みがなくなり、しっかり噛めるようになった例があります。
根の手術
当院のご案内では、気が付かずに長年放置している場合や、複雑な根の形態の場合は、骨の再生が起こらず、手術を行う場合があります。
| 部位 | 費用(税込) |
|---|---|
| 前歯 | 11万円 |
| 小臼歯 | 13.2万円 |
| 大臼歯 | 14.3万円 |
※費用は、症例・難易度・使用材料などによって異なります。最新の料金は、当院の料金表をご確認ください。
神経を残す選択肢(歯髄温存療法)
当院は、できるだけ歯髄(歯の神経)を残すため、可能な限り抜髄しない方針です。院長は、病変が大きくても治らないわけではなく、マイクロスコープとラバーダムを使い、MTAで根管充填を行えば、骨が再生することも多いと考えています。
歯髄温存療法(間接覆髄・直接覆髄)も行っており、料金表では、歯髄温存療法は6.6万円(税込)です。適応かどうかは、診査・診断のうえで判断します。
歯を残す努力を尽くしたうえで、次のステップへ
あらゆる治療を検討してもなお、歯の保存が困難と判断された場合は、抜歯後の選択肢についても、丁寧にご説明します。当院では、インプラント治療に対応しているほか、抜歯後のヘコみを少なくする「抜歯窩保存術」(6.5万円・税込)も行っています。
大切なのは、「抜歯しかない」という判断に至る前に、精密診断で保存の可能性を探ることです。当院は、他院で治療を断られた方や、提案された治療内容に疑問をお持ちの方のご相談を受け付けています。他院で抜歯と言われた歯でも、CTとマイクロスコープによる診断・精密治療で、残せる可能性があります。
✅ 歯を残すことの意味(当院の考え方)
⚠ 再感染・再発につながること
自費診療の理由と、根管治療の費用
当院の根管治療が、基本的に自費診療である理由
当院の根管治療は、基本的に自費診療です。再発を防ぐために、時間をかけ、質の高い材料を使うためです。保険診療では、料金の制約から十分な時間をかけにくいことや、効果が高くても保険で認められていない材料があることが指摘されています。専門的な技術と材料を用いるため、当院の根管治療は、保険診療より費用が高くなります。
根管治療の費用(税込)
| 部位 | 費用(税込) |
|---|---|
| 前歯 | 11万円 |
| 小臼歯 | 13.2万円 |
| 大臼歯 | 14.3万円 |
※費用は、症状により変動します。土台と被せ物は別途必要です。
お口全体の状態を把握するための術前検査として、「デンタルドック」(1.9万円・税込)と「デンタルドックライト」(1万円・税込)もご用意しています。
治療を途中でやめない・間隔を空けないことが大切です
治療が途中で中断されたり、治療の間隔が長く開いたりすると、再感染が起こり、抜歯になる可能性が高くなります。年齢、根の形の個人差、過去に受けた治療のダメージによっては、改善されないこともあります。通院の予定が立てにくい場合は、早めに担当医にご相談ください。
西阿知クォーツ歯科クリニックの根管治療
- 🔬CTとマイクロスコープによる精密診断・治療:CTで原因を特定し、マイクロスコープで細部まで確認しながら治療します。
- 🧤細菌から歯を守る処置:虫歯を徹底的に除去したうえで「隔壁」を作り、「ラバーダムシート」で唾液の侵入を防ぎます。根管充填には、抗菌力が高く、体になじみの良いMTAやバイオセラミックを使用します。
- 📋対症療法ではなく、原因療法:「なぜ悪くなったのか」「どうすれば再発しないのか」を追求し、根本から改善する治療を行います。
- 🦷歯の保存・神経の保存:当院では、ほとんど神経を抜きません。他院で抜歯と言われた方のご相談も受け付けています。
- 🏥感染対策:ヨーロッパ基準で最上位とされるクラスB滅菌器や、院内の水を除菌水にする装置(ポセイドン)などを導入しています。
🏥 西阿知クォーツ歯科クリニック ご案内
〒710-0807 岡山県倉敷市西阿知町586-3 TEL:086-486-4182
診療時間:9:00〜12:00/13:30〜18:00(土曜の午後は13:00〜17:30) 休診日:木・日・祝日
アクセス:JR西阿知駅下車後、東へ徒歩15分(お車の場合は、JR西阿知駅から県道277号線を東方向へ2分)
お支払い:クレジットカード、デンタルローンがご利用いただけます
よくあるご質問(FAQ)
📝 この記事のまとめ
根管治療後の経過が心配な方、まずはお気軽にご相談ください
「何度治療しても改善しない」「他院で抜歯と言われた」——そのお悩み、CTとマイクロスコープを用いた精密診断で、もう一度評価してみませんか。岡山県倉敷市西阿知町の西阿知クォーツ歯科クリニックが、原因療法に基づいた診断・治療をご提案します。
初診専用Web予約 📞 086-486-4182 🏥 根管治療のページ
👨⚕️ 院長・味村敏朗(みむら としろう)より
「原因療法を世の中のスタンダードにし、治療のやり直しをなくしていく」——そんな想いで2016年、岡山県倉敷市に『西阿知クォーツ歯科クリニック』を開院するに至りました。
歯を失うと、全身の病気や介護につながることもあります。患者さんの話にしっかり耳を傾け、分かりやすく説明することを大切にし、歯と歯の神経を保存することに力を入れています。