インプラントと歯周病治療の順番|正しい順序と理由を歯科医師が解説

- ▸ 歯周病があるのにインプラントを急ぐと起きること
- ◦ 「早く歯を入れたい」という気持ちの裏にある落とし穴
- ◦ インプラント周囲炎とはどういう状態か
- ◦ よくある誤解:「抜けた歯さえ補えば大丈夫」
- ▸ なぜ歯周病とインプラントは密接に関係するのか
- ◦ 歯周病菌がインプラントに与える影響
- ◦ 歯周病が全身疾患と関連するという事実
- ▸ インプラントと歯周病治療の正しい順番
- ◦ 全顎治療の視点による治療フロー
- ◦ 骨造成が必要なケースとは
- ▸ 各治療ステップの詳細と費用の目安
- ◦ 歯周病治療の内容と費用
- ◦ インプラント治療の内容と費用
- ◦ 術前精密検査(デンタルドック)のご案内
- ▸ 西阿知クォーツ歯科クリニックの全顎治療へのこだわり
- ▸ よくあるご質問
- ◦ この記事のまとめ
- ◦ 監修者プロフィール
「インプラントを検討しているけれど、歯周病も指摘されている。どちらを先に治療すればいいのだろう?」
このような疑問をお持ちの方は少なくありません。インプラントと歯周病はどちらも重要な問題ですが、治療の順番を間違えると、せっかくのインプラントが長持ちしないだけでなく、お口全体の健康を損なうリスクがあります。
倉敷市西阿知町の西阿知クォーツ歯科クリニックでは、単に歯を補うだけでなく、お口全体を診る「全顎治療」の視点から、患者さまお一人おひとりに最適な治療の順序をご提案しています。この記事では、インプラントと歯周病治療の正しい順番とその理由を、専門的な視点でわかりやすく解説します。
歯周病があるのにインプラントを急ぐと起きること
「早く歯を入れたい」という気持ちの裏にある落とし穴
歯を失った部分は見た目にも機能的にも支障をきたすため、「できるだけ早くインプラントで補いたい」と思われるのは自然なことです。しかし、歯周病が残っている状態でインプラントを埋入することは、非常にリスクの高い選択となります。
歯周病は細菌感染によって引き起こされる疾患であり、その細菌はお口の中に広く存在しています。歯周病菌が活発な環境にインプラントを植えれば、天然歯と同様にインプラント周囲の骨や歯ぐきが破壊される「インプラント周囲炎」を引き起こすリスクが高まります。
インプラント周囲炎とはどういう状態か
インプラント周囲炎は、歯周病と非常によく似たメカニズムで進行します。インプラントの周囲の骨が溶け、最終的にはインプラントが脱落してしまう可能性があります。歯周病の治療を先行させず、インプラントを優先した場合、以下のようなリスクがあると考えられています。
✅ 歯周病治療を先に行った場合
⚠️ 歯周病が残った状態でインプラントをした場合
よくある誤解:「抜けた歯さえ補えば大丈夫」
「歯を失ったのだから、その部分を補えば問題は解決する」と考える方は少なくありません。しかし、歯を失う原因となった歯周病が治療されていなければ、残っている歯も、これから入れるインプラントも同じ危険にさらされます。歯科治療において、目に見える症状だけに対処する「対症療法」ではなく、なぜそうなったかを突き止める「原因療法」の視点が不可欠です。
インプラント治療を検討されている場合は、必ず事前の精密検査でお口全体の状態を確認することが重要です。歯周病の有無・骨の状態・咬み合わせなど、さまざまな要因を総合的に評価した上で治療計画を立てることが、長期的な安定につながります。
なぜ歯周病とインプラントは密接に関係するのか
歯周病菌がインプラントに与える影響
インプラントはチタン製の人工歯根ですが、天然歯と同様に歯ぐきと接しており、プラーク(細菌の塊)が付着します。歯周病菌が多い環境では、インプラントの周囲組織にも炎症が起きやすくなります。特に、歯周病の既往がある方はインプラント周囲炎のリスクが高いとされており、治療前の徹底した歯周病コントロールが求められます。
歯周病が進行すると、歯を支える顎の骨(歯槽骨)が溶けて量が減ります。インプラントは顎の骨に固定することで機能しますが、骨の量や質が不十分な状態では安定した埋入が難しくなります。場合によっては骨を造る「骨誘導再生法(GBR)」などの処置が必要になることがあります。
歯周病治療によってお口の中の細菌の量と種類をコントロールすることが、インプラント成功の下地となります。プロフェッショナルによるクリーニングや患者さま自身のセルフケアの習慣づけを通じて、細菌の少ない環境を整えることが重要です。治療の成果は個人差があります。
インプラントで失った歯を補う際には、残っている天然歯との咬み合わせのバランスが非常に重要です。歯周病で歯が移動・傾斜していたり、骨の高さが変化していたりする場合は、それらを考慮した全顎的な治療計画が不可欠です。
歯周病が全身疾患と関連するという事実
歯周病は単にお口だけの問題ではありません。研究では、歯周病が糖尿病・脳梗塞・高血圧・心臓疾患などの全身疾患と関連している可能性が示されています。たった1本の歯の喪失が引き金となり、多くの歯を失い、さまざまな全身疾患を招くリスクがあることを、私たちは患者さまにしっかりお伝えしています。歯の健康を守ることは、全身の健康を守ることにつながります。
インプラントと歯周病治療の正しい順番
全顎治療の視点による治療フロー
西阿知クォーツ歯科クリニックでは、インプラントと歯周病の治療を段階的・計画的に進めています。以下に標準的な治療の流れをご紹介します(実際の順番は患者さまの状態によって異なります)。
CTスキャン・歯周病検査・レントゲン・咬み合わせ評価など、お口全体の状態を精密に把握します。「なぜこうなったのか」の原因を探ることが治療の出発点です。
スケーリング(歯石除去)やルートプレーニングなどにより、歯周病の原因となるプラーク・歯石を徹底除去します。患者さまご自身のブラッシング指導も重要なステップです。
基本治療後に歯周病の改善を評価します。必要に応じて歯周外科(歯周組織再生療法・骨誘導再生法など)を行い、骨や歯ぐきの状態を整えます。
歯周病がコントロールされた安定した環境で、インプラントを顎の骨に埋入します。骨の量が不足している場合は骨造成を同時または先行して行います。
インプラントが骨と結合した後、上部構造(人工歯)を装着します。全体の咬み合わせとのバランスを精密に調整します。
インプラント・天然歯・歯周組織の状態を定期的にチェック・クリーニングします。長期的な安定のために最も重要なフェーズです。
骨造成が必要なケースとは
歯周病の進行により顎の骨が大きく失われている場合、インプラントを埋入するための骨が不足していることがあります。このような場合には、骨を人工的に再生させる「骨誘導再生法(GBR)」や、上顎の奥歯の領域で行う「上顎洞挙上術(サイナスリフト・ソケットリフト)」などの処置が検討されます。これらは歯周病治療と並行して、あるいはインプラント手術と同時に行われることがあります。
各治療ステップの詳細と費用の目安
歯周病治療の内容と費用
歯周病治療は症状の程度や必要な処置によって内容が異なります。基本的な歯石除去は保険適用で受けていただけますが、より精密な治療や外科的処置は自由診療となる場合があります。
| 治療内容 | 費用(税込) |
|---|---|
| 歯石除去(スケーリング) | 保険適用 |
| 歯周組織再生療法(骨を造る) | 13.2万円 |
| 骨誘導再生法(GBR) | 11〜16.5万円 |
| 遊離歯肉移植術(1歯) | 6.5万円 |
| 遊離歯肉移植術(複数歯 2〜4歯) | 11〜20.9万円 |
| 結合組織移植術 | 8.8〜16.5万円 |
| 根面被覆術 | 7.7〜11万円 |
| 抜歯窩保存術 | 6.5万円 |
※費用は症例・難易度・使用材料などによって異なります。詳しくはお問い合わせください。
インプラント治療の内容と費用
インプラント治療は複数のステップで構成されており、それぞれに費用が発生します。当院では治療前に詳しくご説明した上で、患者さまにご納得いただいてから治療を進めます。
| 治療内容 | 費用(税込) |
|---|---|
| CTスキャン・診査・診断 | 1.5万円 |
| 一次手術料(インプラント埋入) | 31.9万円(2本目以降 10〜27.5万円/本) |
| 二次手術料 | 5.5万円/本 |
| 上部構造(人工歯) | 16.5〜24.2万円/本 |
| 骨誘導再生法(GBR) | 5.5万円 |
| ソケットリフト(上顎洞挙上術) | 7.7〜11万円/本 |
| サイナスリフト(上顎洞挙上術) | 33万円/回 |
| サージカルガイド | 1.1万円/個 |
| 静脈内鎮静法(セデーション) | 7.7万円/回 |
※費用は症例・難易度・使用材料などによって異なります。詳しくはお問い合わせください。
※インプラント治療は保険適用外(自由診療)です。主なリスク・副作用:外科手術に伴う腫れ・痛み・内出血、まれに神経損傷や感染。骨の状態によっては適応外となる場合や骨造成が別途必要になる場合があります。喫煙・糖尿病等は予後に影響することがあります。治療後は定期的なメンテナンスが必要です。効果や回復には個人差があります。
術前精密検査(デンタルドック)のご案内
インプラントや歯周病治療を始める前に、お口全体の状態を正確に把握するための精密検査をお勧めしています。「今のお口の状態を正確に知ること」が、すべての治療の出発点です。
| 検査メニュー | 費用(税込) |
|---|---|
| デンタルドック(お口全体の術前検査) | 1.9万円 |
治療の期間・効果・経過には個人差があります。上記の治療ステップはあくまでも標準的な流れの一例であり、患者さまの口腔内の状態・全身状態・治療へのご希望によって異なります。詳細は必ず担当医にご確認ください。
西阿知クォーツ歯科クリニックの全顎治療へのこだわり
岡山県倉敷市西阿知町の当院は、「なぜこうなったのか」を患者さまにしっかりご説明し、原因から取り除く「原因療法」を大切にしています。歯周病治療・インプラント・根管治療など、すべての治療において場当たり的な対症療法ではなく、お口全体を診た根本的な治療計画を立てることを院長・味村敏朗(みむら としろう)は信念としています。
「治療しても治療してもまた悪くなった」というお声を、これまで多くの患者さまからお聞きしてきました。その背景には、原因を取り除かないまま症状だけに対処する治療が繰り返されているケースが少なくありません。私たちは、歯周病があるのにインプラントを急ぐのではなく、なぜ歯周病になったのか・なぜ歯を失ったのかをしっかり紐解いた上で、長期的に安定した口腔環境を実現するための治療計画をご提案しています。歯が健康になれば、おいしいものが食べられる、笑顔でいられる。そのために私たちは全力で向き合います。
院長 味村敏朗(みむら としろう)
よくあるご質問
📋 この記事のまとめ
インプラント・歯周病治療のご相談は西阿知クォーツ歯科クリニックへ
「歯周病もある、インプラントも気になる」というお悩みを、まずはお気軽にご相談ください。倉敷市西阿知町の当院では、精密検査をもとに患者さまお一人おひとりに合った治療計画をわかりやすくご提案しています。
ご予約はこちら クリニック公式サイトを見る月・火・水・金・土 9:00〜12:00 / 13:30〜18:00(木・日定休)
📍 岡山県倉敷市|JR西阿知駅エリア TEL:086-486-4182
