インプラントと歯周病治療の順番|正しい順序と理由を歯科医師が解説

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インプラントと歯周病治療の順番|正しい順序と理由を歯科医師が解説

📋 この記事の目次

「インプラントを検討しているけれど、歯周病も指摘されている。どちらを先に治療すればいいのだろう?」

このような疑問をお持ちの方は少なくありません。インプラントと歯周病はどちらも重要な問題ですが、治療の順番を間違えると、せっかくのインプラントが長持ちしないだけでなく、お口全体の健康を損なうリスクがあります。

倉敷市西阿知町の西阿知クォーツ歯科クリニックでは、単に歯を補うだけでなく、お口全体を診る「全顎治療」の視点から、患者さまお一人おひとりに最適な治療の順序をご提案しています。この記事では、インプラントと歯周病治療の正しい順番とその理由を、専門的な視点でわかりやすく解説します。

歯周病があるのにインプラントを急ぐと起きること

「早く歯を入れたい」という気持ちの裏にある落とし穴

歯を失った部分は見た目にも機能的にも支障をきたすため、「できるだけ早くインプラントで補いたい」と思われるのは自然なことです。しかし、歯周病が残っている状態でインプラントを埋入することは、非常にリスクの高い選択となります。

歯周病は細菌感染によって引き起こされる疾患であり、その細菌はお口の中に広く存在しています。歯周病菌が活発な環境にインプラントを植えれば、天然歯と同様にインプラント周囲の骨や歯ぐきが破壊される「インプラント周囲炎」を引き起こすリスクが高まります。

インプラント周囲炎とはどういう状態か

インプラント周囲炎は、歯周病と非常によく似たメカニズムで進行します。インプラントの周囲の骨が溶け、最終的にはインプラントが脱落してしまう可能性があります。歯周病の治療を先行させず、インプラントを優先した場合、以下のようなリスクがあると考えられています。

✅ 歯周病治療を先に行った場合

インプラント周囲の骨・歯ぐきが安定した状態を維持しやすい
細菌の少ない環境でインプラントの結合が期待できる
全体的なお口の健康状態が改善される
長期的なメンテナンスがしやすくなる

⚠️ 歯周病が残った状態でインプラントをした場合

インプラント周囲炎のリスクが高まる
周囲の骨が吸収され、インプラントが不安定になりやすい
再治療が必要になる可能性がある
隣接する天然歯の歯周病も悪化しやすい

よくある誤解:「抜けた歯さえ補えば大丈夫」

「歯を失ったのだから、その部分を補えば問題は解決する」と考える方は少なくありません。しかし、歯を失う原因となった歯周病が治療されていなければ、残っている歯も、これから入れるインプラントも同じ危険にさらされます。歯科治療において、目に見える症状だけに対処する「対症療法」ではなく、なぜそうなったかを突き止める「原因療法」の視点が不可欠です。

⚠️ 注意

インプラント治療を検討されている場合は、必ず事前の精密検査でお口全体の状態を確認することが重要です。歯周病の有無・骨の状態・咬み合わせなど、さまざまな要因を総合的に評価した上で治療計画を立てることが、長期的な安定につながります。

なぜ歯周病とインプラントは密接に関係するのか

歯周病菌がインプラントに与える影響

インプラントはチタン製の人工歯根ですが、天然歯と同様に歯ぐきと接しており、プラーク(細菌の塊)が付着します。歯周病菌が多い環境では、インプラントの周囲組織にも炎症が起きやすくなります。特に、歯周病の既往がある方はインプラント周囲炎のリスクが高いとされており、治療前の徹底した歯周病コントロールが求められます。

Point 01
骨の量と質が重要|歯周病による骨吸収がインプラントの埋入を困難にする

歯周病が進行すると、歯を支える顎の骨(歯槽骨)が溶けて量が減ります。インプラントは顎の骨に固定することで機能しますが、骨の量や質が不十分な状態では安定した埋入が難しくなります。場合によっては骨を造る「骨誘導再生法(GBR)」などの処置が必要になることがあります。

Point 02
細菌環境のコントロール|お口の中の細菌バランスを整えてからインプラントへ

歯周病治療によってお口の中の細菌の量と種類をコントロールすることが、インプラント成功の下地となります。プロフェッショナルによるクリーニングや患者さま自身のセルフケアの習慣づけを通じて、細菌の少ない環境を整えることが重要です。治療の成果は個人差があります。

Point 03
咬み合わせの全体設計|インプラントは「お口全体のバランス」の中に位置づける

インプラントで失った歯を補う際には、残っている天然歯との咬み合わせのバランスが非常に重要です。歯周病で歯が移動・傾斜していたり、骨の高さが変化していたりする場合は、それらを考慮した全顎的な治療計画が不可欠です。

歯周病が全身疾患と関連するという事実

歯周病は単にお口だけの問題ではありません。研究では、歯周病が糖尿病・脳梗塞・高血圧・心臓疾患などの全身疾患と関連している可能性が示されています。たった1本の歯の喪失が引き金となり、多くの歯を失い、さまざまな全身疾患を招くリスクがあることを、私たちは患者さまにしっかりお伝えしています。歯の健康を守ることは、全身の健康を守ることにつながります。

インプラントと歯周病治療の正しい順番

全顎治療の視点による治療フロー

西阿知クォーツ歯科クリニックでは、インプラントと歯周病の治療を段階的・計画的に進めています。以下に標準的な治療の流れをご紹介します(実際の順番は患者さまの状態によって異なります)。

STEP 1
精密検査・診断(デンタルドック)

CTスキャン・歯周病検査・レントゲン・咬み合わせ評価など、お口全体の状態を精密に把握します。「なぜこうなったのか」の原因を探ることが治療の出発点です。

STEP 2
歯周基本治療(歯周病のコントロール)

スケーリング(歯石除去)やルートプレーニングなどにより、歯周病の原因となるプラーク・歯石を徹底除去します。患者さまご自身のブラッシング指導も重要なステップです。

STEP 3
歯周病の再評価・外科処置(必要な場合)

基本治療後に歯周病の改善を評価します。必要に応じて歯周外科(歯周組織再生療法・骨誘導再生法など)を行い、骨や歯ぐきの状態を整えます。

STEP 4
インプラント手術(埋入)

歯周病がコントロールされた安定した環境で、インプラントを顎の骨に埋入します。骨の量が不足している場合は骨造成を同時または先行して行います。

STEP 5
上部構造の装着・咬み合わせの調整

インプラントが骨と結合した後、上部構造(人工歯)を装着します。全体の咬み合わせとのバランスを精密に調整します。

STEP 6
定期メンテナンス・予防歯科

インプラント・天然歯・歯周組織の状態を定期的にチェック・クリーニングします。長期的な安定のために最も重要なフェーズです。

骨造成が必要なケースとは

歯周病の進行により顎の骨が大きく失われている場合、インプラントを埋入するための骨が不足していることがあります。このような場合には、骨を人工的に再生させる「骨誘導再生法(GBR)」や、上顎の奥歯の領域で行う「上顎洞挙上術(サイナスリフト・ソケットリフト)」などの処置が検討されます。これらは歯周病治療と並行して、あるいはインプラント手術と同時に行われることがあります。

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各治療ステップの詳細と費用の目安

歯周病治療の内容と費用

歯周病治療は症状の程度や必要な処置によって内容が異なります。基本的な歯石除去は保険適用で受けていただけますが、より精密な治療や外科的処置は自由診療となる場合があります。

治療内容 費用(税込)
歯石除去(スケーリング) 保険適用
歯周組織再生療法(骨を造る) 13.2万円
骨誘導再生法(GBR) 11〜16.5万円
遊離歯肉移植術(1歯) 6.5万円
遊離歯肉移植術(複数歯 2〜4歯) 11〜20.9万円
結合組織移植術 8.8〜16.5万円
根面被覆術 7.7〜11万円
抜歯窩保存術 6.5万円

※費用は症例・難易度・使用材料などによって異なります。詳しくはお問い合わせください。

インプラント治療の内容と費用

インプラント治療は複数のステップで構成されており、それぞれに費用が発生します。当院では治療前に詳しくご説明した上で、患者さまにご納得いただいてから治療を進めます。

治療内容 費用(税込)
CTスキャン・診査・診断 1.5万円
一次手術料(インプラント埋入) 31.9万円(2本目以降 10〜27.5万円/本)
二次手術料 5.5万円/本
上部構造(人工歯) 16.5〜24.2万円/本
骨誘導再生法(GBR) 5.5万円
ソケットリフト(上顎洞挙上術) 7.7〜11万円/本
サイナスリフト(上顎洞挙上術) 33万円/回
サージカルガイド 1.1万円/個
静脈内鎮静法(セデーション) 7.7万円/回

※費用は症例・難易度・使用材料などによって異なります。詳しくはお問い合わせください。
※インプラント治療は保険適用外(自由診療)です。主なリスク・副作用:外科手術に伴う腫れ・痛み・内出血、まれに神経損傷や感染。骨の状態によっては適応外となる場合や骨造成が別途必要になる場合があります。喫煙・糖尿病等は予後に影響することがあります。治療後は定期的なメンテナンスが必要です。効果や回復には個人差があります。

術前精密検査(デンタルドック)のご案内

インプラントや歯周病治療を始める前に、お口全体の状態を正確に把握するための精密検査をお勧めしています。「今のお口の状態を正確に知ること」が、すべての治療の出発点です。

検査メニュー 費用(税込)
デンタルドック(お口全体の術前検査) 1.9万円
⚠️ 個人差について

治療の期間・効果・経過には個人差があります。上記の治療ステップはあくまでも標準的な流れの一例であり、患者さまの口腔内の状態・全身状態・治療へのご希望によって異なります。詳細は必ず担当医にご確認ください。

西阿知クォーツ歯科クリニックの全顎治療へのこだわり

岡山県倉敷市西阿知町の当院は、「なぜこうなったのか」を患者さまにしっかりご説明し、原因から取り除く「原因療法」を大切にしています。歯周病治療・インプラント・根管治療など、すべての治療において場当たり的な対症療法ではなく、お口全体を診た根本的な治療計画を立てることを院長・味村敏朗(みむら としろう)は信念としています。

全顎的(トータル)治療の視点:1本の歯だけでなく、お口全体のバランス・咬み合わせ・歯周状態を総合的に評価した上で治療計画を立案します。
精密機器による高精度な診断と治療:CTスキャンやマイクロスコープなど、精密な診断・治療を支える機器を活用し、肉眼では確認できない問題も見逃しません。
歯と神経の保存に全力を注ぐ:歯を残すこと・歯の神経を残すことを最優先に考え、安易な抜歯や神経の除去をせずに済む方法を徹底的に検討します。
最高水準の衛生・感染対策:インプラントや外科処置を安全に行うための徹底した衛生管理・感染対策を実施しています。
丁寧なカウンセリングと説明:「なぜこの治療が必要なのか」「どうすれば治るのか」を患者さまにわかりやすくお伝えし、ご納得いただいた上で治療を進めます。
院長コメント

「治療しても治療してもまた悪くなった」というお声を、これまで多くの患者さまからお聞きしてきました。その背景には、原因を取り除かないまま症状だけに対処する治療が繰り返されているケースが少なくありません。私たちは、歯周病があるのにインプラントを急ぐのではなく、なぜ歯周病になったのか・なぜ歯を失ったのかをしっかり紐解いた上で、長期的に安定した口腔環境を実現するための治療計画をご提案しています。歯が健康になれば、おいしいものが食べられる、笑顔でいられる。そのために私たちは全力で向き合います。

院長 味村敏朗(みむら としろう)

よくあるご質問

Q. 歯周病がひどいと、インプラントはできないのですか?
A. 歯周病が重度であっても、適切な歯周病治療を行い、骨や歯ぐきの状態が安定すればインプラント治療が可能な場合があります。骨が大幅に失われている場合は骨造成(骨誘導再生法など)を先行させることも検討します。ただし、歯周病のコントロールが難しい状態ではインプラントの長期安定が期待しにくいため、まずはお口全体の精密検査(デンタルドック)でご自身の状態を把握することをお勧めします。治療の可否や方針は個々の状態によって異なります。
Q. 歯周病治療からインプラント完了までどのくらいの期間がかかりますか?
A. 症状の程度や骨の状態によって大きく異なりますが、歯周病のコントロール期間(数ヶ月〜半年程度)とインプラントが骨と結合するまでの期間(通常数ヶ月)を合わせると、トータルで1年前後かかる場合もあります。ただし、これはあくまでも目安であり、個人差があります。詳細は診察・検査後に担当医からお伝えします。
Q. インプラントを入れた後も歯周病になることがありますか?
A. はい、インプラント周囲炎と呼ばれる歯周病に似た状態が起きる可能性があります。インプラントは天然歯と異なり、細菌に対する防御機能が弱いとされており、定期的なメンテナンスと日々のセルフケアが特に重要です。当院では治療後の定期検診・クリーニングを通じて、インプラントと天然歯の両方を長期にわたって守るサポートをしています。

📋 この記事のまとめ

歯周病がある状態でインプラントを先行するとインプラント周囲炎のリスクが高まるため、歯周病治療を先に行うことが基本です
治療は「精密検査 → 歯周病治療 → 再評価 → インプラント手術 → メンテナンス」の順番が標準的な流れです(個人差があります)
歯周病による骨の喪失が大きい場合は、骨造成(骨誘導再生法など)が必要になることがあります
「対症療法ではなく原因療法」の視点で、お口全体を診る全顎治療が長期安定に重要です
倉敷市西阿知町の西阿知クォーツ歯科クリニックでは、精密検査から始まる全顎的な治療計画で、一生涯のお口の健康をサポートします

インプラント・歯周病治療のご相談は西阿知クォーツ歯科クリニックへ

「歯周病もある、インプラントも気になる」というお悩みを、まずはお気軽にご相談ください。倉敷市西阿知町の当院では、精密検査をもとに患者さまお一人おひとりに合った治療計画をわかりやすくご提案しています。

ご予約はこちら クリニック公式サイトを見る

月・火・水・金・土 9:00〜12:00 / 13:30〜18:00(木・日定休)
📍 岡山県倉敷市|JR西阿知駅エリア TEL:086-486-4182

監修医師プロフィール

著者写真

味村敏朗(みむら としろう)(院長)

1973年 岡山市に生まれる
1997年 神奈川歯科大学 卒業、神奈川県の歯科医院に勤務
2007年 守屋歯科医院 院長就任
2016年 同 退職
2016年 岡山県倉敷市に西阿知クォーツ歯科クリニック設立
現在に至る

資格・所属学会:JIADSエンドコースインストラクター(全国の歯医者の先生に根管治療の指導をしています)、日本臨床歯周病学会、日本口腔インプラント学会、日本顕微鏡歯科学会(JAMD)、日本接着歯学会、JIADS(Japan Institute for Advanced Dental Studies)、JSCO(JIADS Study club Osaka)、IDAO、一般財団法人 日本プロスピーカー協会

※ 本記事は医療広告ガイドラインに基づき、監修のもと作成しています。治療の効果・費用・期間には個人差があります。詳細は必ず医師にご確認ください。

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